TOEFLスピーキング。点数換算【素点とセクションスコア】を解説する。SpeechRaterや偏差値も。

TOEFL Speaking 点数換算を踏まえたスコア戦略とは
  • スピーキングは4タスクあって、各タスク0点から4点で採点される。つまり、0から16点?
  • でも、スピーキングのセクションスコアは0点から30点。どう換算されてるの?
  • 点数換算が、どうされてるかは知ってる。でもだからなんなの?
  • 偏差値、Speech raterとか聞いたことあるけど何?

こんなこと思ったことない?

そんなあなたのお役に立てればなと。

初めの2つは、ただの情報提供ですので、ササっと確認してもらえればいいとして。

本当にお話したいのは、3つ目だったりします。

  • 採点の仕組みを抑えたうえで、どうスコア戦略を立てていくか。
  • スピーキングでは23点が目標とか、よく聞くけど、どうしてなの。

この辺りの理由をちょっと深掘りしていきます。

実は、スピーキングセクションでは割と点が伸びやすいスコアレンジがあるんですね。

このスコアレンジないだったら、リーディングとかより点伸びやすい気がするよ。

目次

素点とセクションスコアの点数換算を説明する。

誰もいない教室

この記事にたどり着いた時点で、すでに知っていると思いますが。念のため。

TOEFLのスピーキングセクションは、

  • 4タスクあります。
  • それぞれのタスクが4点満点で採点されます。

ちなみに、この辺りは、

TOEFL スピーキング。採点・評価基準を押さえよう【ムダな努力を避ける】

で、説明してます。

各タスクが4点満点で採点。

これを踏まえると、

4点 × 4Taskで16点?

トータルスコアは30点、どう換算されてるの?

って話になるわけです。

覚えておくべき点数換算の目安。

いきなり、書いてしまうと。

  • 各タスクがすべて4点 ⇒ 30点
  • すべて3点 ⇒ 23点
  • すべて2点 ⇒ 15点

点数換算については、これだけ抑えておけば十分かなと。

というのも、今の新形式に対する換算表はETSから公表されていません。なので、だれも確実な情報は知らないのですね。

上の情報も旧形式の時にETSから公表されていた情報に基づいています。

でも、ETSは、新形式に変えるときに難易度を変えたりしていません

ですので、大まかな指標としては、十分使えるハズです。

旧形式の時に20点だった人が、新形式になったとたん15点とか、それじゃ困りますよね。

ETSが公表している情報は、

How will the total Speaking section score be determined?

Human scores are combined with the SpeechRater® machine scores, then optimally weighted to produce raw scores. The raw scores are then converted to scaled scores of 0 to 30, which is the Speaking section score that will be reported to the institutions that you request.

The Offcial Guide to the TOEFL Test, 6th Edition.

これくらいです。

「素点は、0から30点のスケールに換算される。」

役に立つ情報、ゼロですね。。。

ということで、旧形式の情報を頼りにしましょう。

ちなみに、SpeechRaterについては、記事後半: 【補足】Speech raterとか偏差値とかとか。でお話しています。

旧形式から新形式に変わったときの変更点

少しだけ旧形式から新形式への変更について触れておきます。

新形式に変わった際に、スピーキングの問題数が6問から4問へ変更になりました。

全面的な変更が行われたわけでなく、旧形式のTask1とTask5がなくなりました。

新形式と旧型式のTaskごとの対応は、

旧型式新形式
Task1: Independent general topic
Task2: Independent general topicTask 1
Task3: Integrated (R+L), campus topicTask 2
Task4: Integrated (R+L), academic topicTask 3
Task5: Integrated (L), campus topic
Task6: Integrated (L), adacemic topicTask 4

のようになっています。

新形式の各タスクの詳細については、

を見てみてください。

想像の域をでないですが、採点のコンピュータ化を進めるためにTask1とTask5が消えた気がしますね。

旧形式では、Task1, Task2, Task5が自分の意見を入れることが求められるTask でした。 意見が入るTaskの方が採点の難易度は高いでしょうから。

関係ないけど、TOEICのスピーキングも2021年の8月に改訂予定で、似たような変更が行われるよ。受験者の意見を言う部分が減る感じ。


旧形式の換算表の詳細

旧形式のころに公表されていた換算表について、詳細を見ておきましょう。

こんな感じです。

Rubric mean (平均点)Scaled score
4.0030
3.8329
3.6628
3.527
3.3326
3.1624
3.0023
2.8322
2.6620
2.5019
2.3318
2.1617
2.0015
1.8314
1.6613
1.5011
1.3310
1.169
1.008

旧形式では、タスク数が6つあったので、1点刻みが6分割されているわけです。

参考になりそうな数字を赤字にしておきました。

平均(Rubric mean)2.5の19点は、覚えておいてもいいかもしれませんね。

19点が取れれば、半分のタスクでは素点3点が取れてるんだなと推測することができます

もうちょい深掘りして、スコア戦略を考える。

誰もいない教室

4点スケールで評価されてるってことを、もうちょい深く考えよう。

換算表を知ったところで、もう少し踏み込んでみましょう。

各問題に対しては、0点から4点の5段階のスケールで評価されてるとお話しました。

このうち0点は、そもそも何も話していないという回答なので、1点から4点の4段階スケールで採点されると考えてしまってOKです。

あなたが採点官であることを想像して、1点や4点をどのくらいつけるでしょう。実質的な最低点や最高点です

「これは、満点でしょ。」とか、「これは、ダメでしょ。」とか、ハッキリ思える時しかつけません。よね?

そして、これは実際のスコア分布にも反映されてます。

セクション別のスコア分布、パーセンタイル。

実際に、スコア分布(パーセンタイル)を見てみると。。。

TOEFLスコアパーセンタイル セクション別
データ元:Manhattan review

数字は、そのスコア以下の受験生の割合を表しています。

例えば、スピーキングが22点だと、数字が54なので、54%の受験生が0点から22点に含まれることになります。

つまり、

  • オール2の15点だとパーセンタイル8パーセント(15点だと、下から8パーセントです)、
  • オール3で一問だけ4点の24だとパーセンタイル80です(平均3点で1つ4点とると、上位20パーセントにはいれます)。

全受験生の72パーセントが15から23、つまりは素点で2点から3点に収まっちゃうってことですね。

このデータは、日本人受験者に限定したデータではないので、日本の受験者に限定して統計とったら、少なくとも80パーセント位(いやおそらく90%)は15から23点に収まるんじゃないかと思います。

スピーキングの素点で4点をとれる人ってそのくらい少ないです。

スコア分布から言えること。→23までは、コスパ良し。

さて、全受験生の72パーセントがスコア15から23に収まる。

そして、15点から23点の間は、素点2点から3点がタスクごとに混在している状態です。

ここから何が言えるでしょう。

  • 24にするには(どれかの問題で4点満点を取るには)、壁があります。
  • 15~23の間は、比較的スコアが伸ばしやすいです。

15から23(正確に言えば15点より上から23点)の間の人は、

少なくとも1つのタスクでは3点が取れていると考えることができます。

つまり、23点を取るためにすべきことは、

2点のタスクを3点が取れてるタスクと同じようにできるようにすることです。

ここに大きなジャンプは、ない気が。しませんか??

ただ、23以上を目指すとなると急にコスパが悪くなります。

やっぱり、採点者に、「こいつできるな」って思ってもらうのは、大変なわけです。

どれだけスピーキングセクションに時間をかけますか?

月並みな結論。22、23辺りを狙っていくのが現実的なスコア戦略になります

【補足】Speech raterとか偏差値とかとか。

机の上に置かれたパソコン

いくつか素点からセクションスコアへの換算の際に、知っておいた方がいいかもということがあるので触れておきます。

といっても、スピーキングセクションの勉強には全く影響しないので、こんなのもあるよって感じで読んでもらえれば。

2つあって、

  • SpeechRater
  • 偏差値

です。

SpeechRater(自動採点システム)がDeliveryの評価に利用。

SpeechRaterについて、ポイントだけまとめておきます。

  • SpeechRaterという、自動採点システムが主にDeliveryとLanguage useを評価している。
  • 人間の採点者は、Delivery, Language use, Topic developmentを評価。
  • 人間の採点者のスコアとSpeechRaterのスコアを組み合わせて素点が算出。(SpeechRaterの評価がTaskごとなのか、スピーキングセクション全体に対して行われるのかは不明。)

旧形式から変わらず人間の採点者は、あくまでHollisticallyに採点し、SpeechRaterがDelivery, Language useに対する部分を補足するという感じみたいですね。

ベースとなる情報載せておきますね。2つ目は、すでに上でも紹介してます

How will my responses be rated?
Each Speaking response is scored by both human raters and the ETS automated scoring engine, SpeechRater®. The human raters evaluate your response for topic development, delivery, and language use, using the TOEFL iBT ® Speaking rubrics. SpeechRater® primarily measures features described in the Speaking rubrics under Language Use and Delivery.

The Offcial Guide to the TOEFL Test, 6th Edition.

How will the total Speaking section score be determined?

Human scores are combined with the SpeechRater® machine scores, then optimally weighted to produce raw scores. The raw scores are then converted to scaled scores of 0 to 30, which is the Speaking section score that will be reported to the institutions that you request.

The Offcial Guide to the TOEFL Test, 6th Edition.

偏差値の導入。換算表はあくまで目安。

換算表が目安にしかなりませんよーと話してきた理由のもう1つが、これ。

偏差値の導入です。(もう1つは、Task数が変わっちゃったこと。)

事実から確認しておくと。

  • 旧形式では、ある時点(2018年8月辺り)までは、換算表に基づいて素点とセクションスコアの換算が行われてきた。
  • でも、旧形式においても2018年8月以降には、換算表通りではなくなりました。

具体的には、2018年8月以降に換算表では出ないはずのスコアが出るようになりました

21点とか25点ですね。換算表を見てもらえればすぐにわかります。

2018年8月には、すでに換算表は非公開となっていたので、ETSが公表していた情報と矛盾するわけではないです。

これに関しては、統計的な分析が素点とセクションスコアの換算をするときに、用いられるようになったとのことです。

つまり、

他の人の出来が良ければ、同じ素点であってもセクションスコアが多少悪くなり。

他の人の出来が悪ければ、セクションスコアが良くなるという、

偏差値的なアプローチが採用されたということです。

この偏差値的なアプローチは、新形式になった今でも残っていると考えるのが妥当でしょう。

Task数が旧形式よりも減った新形式では、紹介したような一対一対応の換算表では、存在しないスコアがあまりにも多くなってしまいます。

この辺りの情報については、トフレさんの次の記事を参考にさせていただきました。

【改訂版】新形式のTOEFL iBT Speakingセクションはどのようにしてスコアが算出される?

Test takerとしては、そうなんだぁ位に思っておけば十分!

【まとめ】23までは、とっとと引き上げてしまうが吉です。

繰り返しになりますが、点数換算としては

  • 各タスクがすべて4点 ⇒ 30点
  • すべて3点 ⇒ 23点
  • すべて2点 ⇒ 15点

これだけ覚えときゃ十分です。

んで、パーセンタイルのデータで、実際に4点とるのは難しいだなぁって思ってもらえれば。

逆に言うと、3点は取れるんだなぁと思ってもらえれば。

だって、17点取れてる人は、3点取れてますよ。

スピーキングをあげて、留学楽しむぞ。

にっくよし
社会人を経験後、アメリカのテキサス州で電子工学を専攻してます(博士課程)。

少しでも留学者(道連れとも呼びます)を増やすために、TOEFLスコアアップ法を紹介します。
まずは、交換留学に、次に正規留学に。
社会人から留学へ。
こんな方、増えるといいな。

国立理系大学→電気メーカー研究所→アメリカで博士学生

ご感想やご意見は、お気軽に問い合わせまで。

道連れ希望者も、そうでない方もウェルカムです。
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