TOEFLのリーディングセクション。
制限時間内にとき切るのが、最もむずかしいセクションです。
他のセクションに比べ、文章の抽象度も高いですし、設問も紛らわしいものが多いです。
といっても、日本人にとっては、ライティングと並んで、スコアを狙いやすいセクションです。
そこそこ問題も分かるし、文章もそれなりに読めるようになってきた。でも、自信ない問題もたくさんあるし、何より時間が足りないんだよな。
今のスコアが20点くらいの方に向けた記事になります。
上の2つの問題。時間と設問。
実はこの2つ、つながっている問題で、自信ない問題がたくさんあるから時間が足りなくなるんですね。
自信がない問題が多いのは、読めてないからとなります。
結局、読解力をあげること。が大切になります。読解力を上げるにはどうすれば?にこたえることがこの記事の目的です。
学習の結果、ふつうに解いて問題が解ききれるようになれば、スコアは25あたりにはなってるハズ。
僕のリーディングスコアは、大抵28か29でした。
でも、初TOEFLは…、18とかだったと思います。結構しょぼいですよね。
- リーディングで時間が足りなくなる原因の分析。
- 時間不足を解消する勉強方法。学習中の意識が大切。
- 的を外している、割とよく見るアドバイス3つ。
がちがちの受験英語がバックグラウンドの自分には、リーディングはスコアを伸ばしやすいセクションでした、2,3か月の集中的な取り組みで27位を安定的に取ることができるようになりました。
そのときの勉強法を元にしてます。
リーディングで時間が足りなくなる原因を分析しましょう。
まず、時間が足りなくなる原因を考えてみましょう。
- 文章を読む速度が遅い。
- 回答の速度が遅い。
そりゃそうですよね。
もうちょっと考えてみましょう。
なぜ文章を読む速度が遅いんでしょう?なぜ回答速度が遅いんでしょう?
文章については、
- 構文把握をしないと読めない。
- 日本語に変換しないと意味がとれない。
- 同じ文を2度、3度読み直す。一度では、内容を把握できない。
回答速度については、
- 問題の解法を知らない。
- 問題読んで、文章読んでを繰り返す。2つの選択肢で迷っている時間が長い。
こんなところでしょうか。
時間足りない問題の解決方法 → 英語が自然に読めるまで、繰り返し。
解決策は、シンプルに上で上げる原因をつぶしていくとなります。
月並みですが、基本的には読解力を上げるために繰り返し練習するとなります。
構文とか、単語の意味とか、もっと言えば英語であることとか、そういうのを意識せずに意味を理解できるようにしていく。
これをパッセージ全部について、できるようにしていく。
この意識がとっても大切です。
僕がやっていたリーディング勉強法を紹介します。
この方法で25辺りまではいけるハズ。
- 時間を測って問題を解きます。
- 問題の答え合わせをします。
- かかった時間、正答数、間違えた設問を、記録しておきましょう。
- 文章を読み解いていく。
- 単語を調べる、意味のとれない文章の読み解き、などの精読作業はこのステップで。
- 文章だけを通しで読む。時間を必ず測ります。記録もします。
- 繰り返し、文章を読んでいく。このパートがコアです。
- パラグラフ毎に読んでいきます。
- 意味がすっと入ってこない文章や単語が出てくるハズです。マーカーで印をつけましょう。
- 何度も繰り返し読み、「構文理解や、日本語を介せず意味が入ってくる状態」を目指します。
- 文単位でこれができたら、1パラグラフ通しで読みます。
- パラグラフを通して、「構文理解や、日本語を介せず意味が入ってくる状態」にします。
- パラグラフごとで完了したら、文章全体にスコープを広げて同じことをします。
- 「構文理解や、日本語を介せず意味が入ってくる状態」をキープしつつ、何度も読みます。ココでの目標は、時間を短縮していくことです。時間6分半くらいで読めるようになるまでつづけましょう。
- パラグラフ毎に読んでいきます。
- 文章理解が終わった状態で、改めて問題を解いてみる。初めに解いたときより、解けるようになっているハズです。この時点でも分からない問題は、解答の根拠を探してみましょう。それでも、分からなかったらその問題は放っておきましょう。
僕はこれを1パッセージ毎にやってました。
一週間とか時間を空けて、文章の読み直し、問題の解き直しもします。
文章の読み直しでは、一度目で6分半以内を目指します。問題も解くときは、制限時間を1分程度短めくして、17分を目指します。
僕は、下のような表をワードで作って進捗管理をしてました。合格ラインに達した時に赤字フォント使ってます。
細かなステップについては、それぞれ好みでアレンジしても問題なしです。おっきな目標をハズさなければ、どうやってもいいです。
おっきな目標
「構文理解や、日本語を介せず意味が入ってくる状態」をキープしつつ、本文を6分半以内に読み切れる状態を作ること。
私は、
単語が原因で意味が分からなかった文章 → 青のマーカー
構文や文章の抽象度が高くて意味が入ってこない文章 → 赤いマーカー
とチェックをして、該当する箇所のみ復習回数を多くしていました。
問題も間違えた問題だけをチェックし、該当問題を根拠をもって答えらるようになっているかを確認していました。
上のステップを多くのパッセージに対して行って、おっきな目標が達成できたパッセージを増やしていきましょう。
そのうち、初見のパッセージに対しても、18分以内にとけるようになります。
自分の場合は、TPO1からTPO15位までで行った時点で、「1分程度の回答時間を残して、パッセージ毎に1問ミス、もしくはミスなし」の状態になりました。
各パッセージの繰り返し回数は、5サイクルくらいです。
僕は、これでスコアが28以上で安定したよ。
設問についての捉え方
紹介した方法は、読解力の向上にフォーカスしてるので、設問を解く速度についても、気になる人がいると思います。
結論。設問は、後回しで大丈夫です。
次第に、英文を読むスピードや理解度、記憶の保持力が上がって、設問の正答率も上がってきます。
設問を解く速度も、読解力が上がってくれば自然に解消されてくることがほとんどです。
回答速度が遅くなる一番大きな要因は、
- 選択肢を読んで文章読んでを繰り返す。
- 選択肢が絞れなくて2つの選択肢で迷う。
です。
パッセージの理解度、記憶の保持力が上がれば自然と解決です。
設問の解法を知らないってのも、重要度としては低めです。
28以上を目指すときに、重要度が上がってきます。
この段階では、
文挿入問題(Insert text question)と、
文の簡単化問題(Sentence simplification question)
の解法だけ確認しておけば十分でしょう。
その辺りは、次の記事で触れてます。
»【TOEFL iBT リーディング|設問タイプ分析】解き方実演します。
本文を初めに全部読むか問題もありますね。
» TOEFL リーディング。【先に問題?全部読む?】29の僕は先に問題をお勧めします。
ちょっと補足。要約問題(Prose summary question)について。
30点を目指すのでなければ、最後の要約問題は、完答する必要ありません。27位になるまでは、要約問題に時間をかけるのは、イイ戦略じゃないです。
要約問題は、2ポイント中、1ポイント取れればよしと割り切って、時間を浪費しないでください。
ちょっと的を外してるんじゃないかなってアドバイス3つ。
メインのパートは、終わりです。以下は、興味がある方だけ読んでみてください。
ウェブなどでよく見るアドバイスがあります。
その中には、これはちょっと良くないなってものも結構混じってます。
速読、スキミングを進めている。
母語でも、できない速読を英語でやるのは…。やめましょう。
スキミングも、十分に読解力のある人だからできるんです。
習得する技術でなく、読解力が上がると自然とできるようになることです。スキミングだけを身につけようと思っても空回ります。
普通のペースで読んでもわからない文章をスキミングしようとしたら、より崩壊しますよ。
問題1題あたり何分的なアドバイス。
時間を問題数で割れば、そうなるんでしょうけど。あんまり意味ないんじゃないかな?って思います。
問題によってかかる時間が違いますので。
例えば、単語問題は10秒くらい、要約問題は2~3分位。
それよりも、設問タイプごとに、自分の肌感覚で目安時間を持ちましょう。
僕の経験では、
- 選択肢の文章が長い内容不一致問題(Negative factual information question)
- 文の簡単化問題(Sentence simplification question)
- パッセージ要約問題(Prose summary question)
は解くのに時間がかかりますね。
問題演習をする中で、自分なりの時間感覚を醸成していくと役立ちます。
繰り返し何回的なアドバイス
目標を立てやすくてよさそうですが、効率はあまりよくないだろうなって思います。
どういう状態を目指すか、を定めて、
その状態になるのに必要な回数だけ繰り返した方がいいかなと思います。
リーディングでは、「構文理解や、日本語を介せず意味が入ってくる状態」ですね。
これがすでにできてる文章を10回読んでも得るものは少ないです。逆に、目的の状態に至らないなら、20回とかもっとたくさん取り組む必要があるかもしれません。
リーディングの学習素材は、過去問が無難。
簡単に学習素材についても、紹介しときます。
まず、第一候補は、TOEFL Official Guideになります。TOEFLの過去問で解説ついてるのは、この本だけです。まずはここからスタートが無難です。
次点が、Official TOEFL iBT Test vo.1, Official TOEFL iBT Test vol. 2。こちらもETSから出ている過去問集ですが、解説がありません。リーディングの点数が20位はないと、使用すること自体が厳しいかもしれないです。
参考書については、TOEFL参考書紹介の記事も見てみてください。
»【TOEFL iBTおすすめ参考書|必携7(+1)冊】67から100 overまでの経験を元にして紹介します。
これらやり終えた後は、中国TPOが最適素材となります。同じくTOEFLの過去問ですが、こちらは非公式です。
入手方法は、私に連絡してくださってもOKです。ウェブ上で探してもいいでしょう。
まとめ
あまりテクニック的なことは、気にせず読解力の向上にフォーカスしましょう。
その時に意識するのは、できるだけ不自然な言語処理プロセスを減らすこと。
僕たちが、日本語の文章を読んでるとき考えてみましょう。
- 別の言語に翻訳しないですし、
- 日本語の構文も考えません。
なので、この2点は、完全排除を目指しましょう。
でも、
- 語彙(単語)の意味が分からなって、ググったり
- 一回じゃ何となく意味が分からなくって、2度読んだりする
ことは、日本語読んでてもありますね。
だから、こっちの2点は、完全にゼロにする必要はないです。でも、できるだけ減らしていくのがいいのは、もちろんです。
こういうことができるようにしていくのがリーディングの学習で25辺りのスコアを目指すのにやることです。
設問は勝手に時間内にとけるようになっていくし、正答率もある程度まで上がっていきます。
より上のスコアを目指すときには、読解力の向上をしつつ、設問の正答力を上げていくことに比重が移ってきます。
設問の解き方については、【TOEFL iBT リーディング|設問タイプ分析】解き方実演します。で実演をしています。
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