TOEFLの勉強をしていると、こんな疑問を持つかもしれません。
多読や多聴そのものは、英語自体の勉強としてはとても有効です。
ただ、多読をTOEFL勉強に使おうって思ってる方は、ちょっと気を付けた方がいいかなと思います。
というのも、一般的な英語学習で言われている多読学習をそのままTOEFL学習に利用するのは、ちょっと非効率では?と思います。
TOEFLの勉強に多読を効果的に使うには、TOEFL勉強用にちょっとアレンジしてあげましょう。
この記事では、3つの多読実践法を紹介します。
僕自身は安定して28、29点以上はとれていましたので、ある程度は参考になるかと思います。
TOEFLリーディングに効果的な多読勉強法3つ。
いきなりですが、3つの方法。書いてしまいます。
- 方法①:リーディング以外のTOEFL素材を使って多読。
(リスニングのスクリプト、ライティングのIntegrated Task) - 方法②:精読したリーディング素材を読み込む。
- 方法③: 背景知識を得られるマテリアルで多読。
なぜ、これらの方法が有効なの?
理由を、見ていきましょう。
通常の多読がTOEFL学習で効率的でない理由。
まず、通常の多読があまりよくない理由から。
通常の多読の特徴。こんな感じでしょうか?
素材:Graded readersや洋書児童書など、ストレスなく読めるレベルの素材を使う。
方法:とにかく大量に読む。分からなくても気にしない。
この方法。確かに、英語力のアップという意味では有効です。
徐々に英語力がアップしていきます。
多読素材としてTOEFLレベルの英文が使えるようになるころには、かなり時間に余裕をもって、問題に取り組める力がついていくでしょう。
でも、裏を返せば多読用の素材としては、ず~っとTOEFLよりレベルの低いものを使い続けるってことです。
リーディングパッセージを多読で使いだすときは、TOEFLのパッセージがストレスなく読めるレベルになってますからね。
一方、TOEFLでは、スコアや英語力に関わらず、同じ文章を読み、同じ設問に答えます。
文章のレベルや設問のレベルも一定です。1つめのパッセージがやさしくて、3つめは最難とかないんです。
言いたいことは、従来の多読法のように現状の英語力に合わせて教材を選ぶと、
- TOEFLで求められている英文のレベルから下がってしまう。
- TOEFLで扱うトピックから外れてしまう。
という問題点が避けられません。
TOEFLでスコアを取ることが目的なのに、TOEFLとは外れたレベルの英文を読む。
効率悪いなってのは、なんとなく直感的にもわかるんじゃないないでしょうか。
多読の目的とは?
次に、多読を行う目的は何でしょうか?
もし、従来型多読で得られるメリットが得られる別の多読方法が、その方法でもいいわけです。
そして、その方法がさっきの従来型多読の問題点を抱えていなければ?
ベストですね!
さっきは、多読用教材が満たすべき条件を、もう少し明確に定義しておきましょう。
- 知っている単語が95パーセント以上位。
- 理解するのが困難な複雑な構文やレトリックを含まない。
こういったレベルの教材を使うことにより、知識の獲得や拡大から焦点が離れて
単語に付随する知識の技能化
構文把握の自動化
などの運用技能的な力に自然とフォーカスが行きます。
フォーカスが意識的なプロセスから無意識的なプロセスに置かれて、運用技能的な力が強化されるわけですね。
英語の運用技能の向上こそが、多読の目的です。
TOEFLのための、3つの多読学習法
これを避ける方法として、3つの方法をすでに紹介しました。
紹介した多読法によって、多読の目的「運用技能の向上」をTOEFLの英文レベル、トピックから離れることなく行えますよ。
1つずつ詳細に見ていきしょう。
方法①:TOEFLリーディング以外の素材を使って多読。
リーディング以外にも、TOEFLにはインプットに使えるマテリアルがあります。
たとえば、
- リスニングのスクリプト
- Writing Integrated Taskのリーディングやリスニング部のスクリプト
などです。
スピーキングのIntegrated Taskは、ちょっと分量的に心もとないかなと思うな。リーディングを多読に使える人は、もうリーディングの勉強をする必要のない人です。
これらの素材のいいところは、使われている語彙や構文が、リーディングと比べてだいぶ簡単な所です。
そして、当たり前ですが、
扱われているトピックは、もともとTOEFLの素材ですのでドンピシャです。
これらのマテリアルがストレスなく読める人。
持っている問題集や、購入した問題集からこれらの素材のみを抽出して、多読用素材として使うことを考えてはどうでしょう?
方法②:学習済みのリーディング素材を読み込む。
リーディングの勉強をしたときに精読を取り入れていれば、難しめのリーディング素材も「多読で使う教材」の条件を満たす教材に変化させることができます。
» TOEFLリーディング【精読力は、なぜ大切?】勉強法も紹介。
すでに単語を調べていれば、知っている単語は100パーセント。精読済みなら構文理解も完璧!
つまり、学習ステップのうち知識の獲得という側面は終了しています。
これらのマテリアルに必要なことこそ、そう。知識の技能化。まさに多読の目的です。
多読じゃないじゃんという声が聞こえてきそうですが。
要は、多読で伸ばすべき力がのばせりゃなんでもいいわけです。
僕自身、この方法を運用技能を高める方法として、意識して使っていました。個人的には、一番、おすすめできる方法です。
方法③:背景知識学習の一環として行う
方法③はTOEFLのマテリアルではなくなってしまいます。
でも、せめて内容位はTOEFLに役立つモノにしましょうって方法です。
Graded Readersなどを使った多読より幾分マシだと思います。
» TOEFL iBT【背景知識の学習法】102点にはこれで問題なし
でTOEFLの背景知識について、書きました。
この記事で紹介したような書籍を使って、多読学習を進めてしまう方法です。
とかですね。
多読用マテリアルとして使うときには、
- 知っている単語が95パーセント以上位。
- 理解するのが困難な複雑な構文やレトリックを含まない。
から、かけ離れていないかチェックしてみてくださいね。
ここまで厳しい条件でなく、構文とかに意識を払わずに読めるレベルであればOKです。
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