【TOEIC意味ない?】スコアと英語力の矛盾を公式見解を元に分析。900点+スピーキング練習が1つの目標。

TOEIC_Score_English_Level

TOEIC、英検、TOEFL、 IETLS、国連英検。

英語のテスト、たくさんありますよね。

その中でも、日本で有名なのは、TOEICと英検ですね。

私自身、大学2年生の時TOEICを受験し、500点台のスコアから始まり、890点を獲得しています。その後、留学を意識してからは、TOEFLを主軸に英語の勉強を進めてきました。

TOEICは、私も10回以上、受けています。

履歴書などにも英語能力の証明として、スコアを記載する機会の多いTOEIC。どのくらいの点数だと、どのくらいの英語力なのかは、英語学習者にとって、気になるところだと思います。

何点取れば、英語が話せるようになるんだろう?

本記事では、私の経験をもとに、私自身が「TOEICが何点くらいのとき、この位の英語力だったよ。」というのを、TOEICの提供団体であるETS(Educational Testing Service)が公開している「TOEICスコアとコミュニケーションレベルの相関表」と比較しながら紹介します。

残念ながら、ETSの予測する英語力よりも、私の英語力は低いものでした。日本の英語学習者には、同じように感じている方も多いと思います。

スコアは伸びてるのに、話せるようにならない。

「ETSが予測する英語力に及ばない私の英語力」、私のケースでは、この矛盾はTOEFLの勉強をするにつれて解消していきました。

私が、もしもいま過去に戻って勉強しなおすなら、スピーキングの練習を早期に開始します。TOEFLの勉強によって、私の英語力が伸びた理由は、頭でわかっている知識としての英語が、運用できる英語へと変化したからです。この変化を引き起こすのに、スピーキングの練習は効果的です。

本記事の最後では、英語学習者の目標となりうるTOEICスコアについてお話します。実用的な英語を学ぶ多くの学習者にとって、900点(もしくは条件付きで750点辺り)を目標に設定することになるでしょう。

本記事によって次のことがわかります。

  • TOEICスコアと英語力の相関。理想(ETSの公式見解)と現実(私)の例。
    ーETSの公式見解を、私の英語力版へと添削します。
  • 理想と現実の矛盾を埋める方法として、スピーキングが効果的である理由。
  • 英語学習者にとって、目標となりうるスコア(900点もしくは750点)とその理由
目次

TOEICスコアと英語力の相関。公式見解は、過剰評価?私の経験を元に解説します。

それではさっそく、TOEICの主催団体であるETS (Educational Testing Service)の出している、英語力とTOEICスコアの相関表を見てみましょう。
TOEIC score and communication level

引用:TOEICスコアとコミュニケーションレベルとの相関表TOEIC受験者であれば、一見たことあるかと思います。

EランクとDランク

Dランクと、Eランクは、サクッと行きます。ETSの公式見解が的を得ていますので。

Eランクの記載、

~ETSの見解(220以下)~

コミュニケーションができるまでに至っていない

単純な会話をゆっくり話してもらっても、部分的にしか理解できない。

部分的に単語を並べる程度で、実質的な意思疎通の役には立たない。

この記載、Dランク、Eランク、両方の英語力をうまく表現していると思います。

このスコアレンジの人は、とにかく、英語の文法と英単語を中心に勉強を継続して、このスコアレンジを抜けだしましょう。

Cランクからは、私がそれぞれのスコアレンジだった時の経験を元に、ETSの公式見解を添削していきます。

Cランク

それでは、Cランク(470~730)、行きましょう。

TOEIC470 on road

ETSの見解は、

~ETSの見解(470~730)~

日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。

通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な意思疎通になると、巧拙の差がみられる。

基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。

なかなか、いいことが書かれていますね。海外旅行はなんとかなりそうです。

それでは、スコア630点程度だったころの自分を振り返って添削していきます。

~わたしの英語力(スコア630点時点)~

生きるのに最低限必要なコミュニケーションは取ることができる。職場でも同様に、取れるコミュニケーションは必要最低限なものに限られる。コミュニケーションをとる際に、相手にかける負担も大きく、コミュニケーション相手は忍耐強くあることを求められる。

通常会話では、時々聞きとれた単語から内容を推測することにより、何について話しているかを知ることができる。複雑な場面では、内容を追うことはできず、相槌を打つのが精いっぱいである。

基本的な文法・構文は知識として身についている。表現力は不足しているが、自己の意思を最低限伝えられる語彙力は備えている。

私の英語力は、こんな状態でした。

コミュニケーションは、最低限、成立するのですが。話す方も聞く方も双方ストレスを感じる英語力ですね。

Bランク

それでは、つぎにBランクに行ってみましょう。

TOEIC 730 on road

~ETSの見解(730~860)~

どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。

通常会話は、完全に理解でき、応答も早い。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。

性格さと流暢さに個人差があり、文法・構文上の誤りが見受けられる場合もあるが、意思疎通を妨げるほどではない。

Cランクに引き続き、なかなかグッドですね。英語学習の1つのゴールとなりそうな内容が書かれています。

でも、私の英語力は。

~わたしの英語力(スコア770点時)~

書き読みに関しては、遅々としてではあるが情報収集、情報発信ができる。辞書の使用が必要。

会話やリスニングは、文として聞き取れることもある。少し話題が難しくなると、とたんに細部はわからくなり、何について話しているのかの大枠を追うので精一杯。とてもではないが、業務に使うのなんて恐ろしい。

書きでは文法、構文上の誤りは目にはつくが、意思疎通を妨げるほどではない。スピーキングでは、文法のみならず、構文も大きく崩れ意味に干渉してしまうことが多々ある。

TOEICの公式見解とは、大きく違いがありますね。それでも、Cランクのころと比べると、だいぶ英語力の上達を感じていました

730位になると、割と英語が得意という意識がめばえてきます。自分でも、なんとか意思疎通はできるようになってきたぞ、と自覚してくるスコアです。。

語学留学で、英語力向上を目的とする場合に到達しておきたいスコアです。

(私は、海外経験は、英語力がなくても意味があると考えていますので、スコア730以前に留学するのも賛成です。その辺りは、別記事に記載予定です。)

Aランク

さて、いよいよTOEICの最高レンジAランクです。

TOEIC 860 on road

~ETSの見解(860以上)~

Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。

自己の経験の範囲内では、専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。

Native speakerの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙、文法、構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力をもっている。

比較の対象がNative speakerになりました。恐れ多すぎます。

このくらいの英語力の人がTOEICを受けたら、相当低めにみても950は超えるでしょう。

私は、この記述の英語力には、到底およびません。

私がTOEICで Aランクだったころの感覚は。

~わたしの英語力(スコア890点時)~

すごく大変だし、すごく苦労するだろうけど、英語の環境に飛び込んでもなんとかやっていけそうだなという感覚が芽生え始める。

自己の経験の範囲内では、専門外の話題であっても、話の概要は理解できる。細かい部分は、聞き取れないことも多い。

すべてを理解しているわけではないが、会話を妨げない程度の聞き取り能力がある。ただし、相手の英語が聞き取りやすい時に限る。

発する言葉は稚拙ではあるが、意味に干渉しない程度の文法構文的正しさをもって会話ができる。使用できる語彙力は限られている。自分の言いたいことの概要を伝えることはできるが、細かい内容を伝えるのはかなり難しい。

と、こんな感じでした。

Aランクになると、英語の環境でもなんとかなる、と思えてきます。英語環境にいれば、話せるようになってくるハズと思えるのも、900点辺りのスコアになってからでした。

この感覚って、とても価値があると思います。

なんとかなると思えたら、海外留学、海外就職への壁が、グッと低くなりますから。

まとめ

ETSの公式見解と、私の英語力に基づく添削について、まとめておきます。

すべてのスコアレンジにおいて、私の英語力は、ETSの公式見解より低いものでした
ETSの公式見解は、各スコアレンジの上限スコアなら(Cレベルなら725点、Bレベルなら855点、Aレベルなら990点)、ギリギリ的外れではないかな、という感じです。

スコアはあるのに英語ができないを解消するには。【答え】スピーキングをやりましょう。

Speaking_man_woman

繰り返しになりますが、ETSの出している公式見解より、私の英語力は、どのスコアレンジにおいても低いものでした。

なぜ、この差異が生まれていたのかを考えることは、私たちの英語力や勉強法を見直すきっかけになります。

気づいた人もいるかもしれませんが、ETSの公式見解は、コミュニケーションレベルについて語っています。もう少し注意して記載内容をみると、ETSはコミュニケーション能力を会話能力として定義していることがわかります。

ETSの公式見解と、私の英語力におおきな隔たりがあった原因は、ここにありそうです。

話をシンプルにするため、私のTOEICスコアが770としましょう。

この時、私にTOEICで770点を取れる英語力があったのは、事実です。ただし、私の会話能力は、TOEICで770点取れる人が持っているべき(ETSが期待している)会話能力に足りていなかったということです。

きっと、私だけでなく日本人の多くの英語学習者が、当てはまるのではないのでしょうか。

ですので、もしETSの公式見解の記述にふさわしい英語力をつけていきたいのであれば、答えはシンプル。会話の練習をしましょう。ということになります。

会話の練習は、やっぱり効果的ですよ。

これで、終わってもいいのですが、もう少しふかぼりしていきましょう。

語学の能力の発達を考えるには、頭でわかっている知識と、無意識で使える知識(運用能力)を分けて考える必要があります。

TOEICは、頭でわかっている知識だけでも、スコアが出てしまうテストです。対して、会話能力を向上させるためには、学んだ知識を無意識で使えるレベルまで習得し、知識の運用能力化を進める必要があります。

TOEICは知識で戦えます。会話では、もう一段。知識を運用できるようにする必要がありますよ。

ETSの公式見解は、この運用能力化が、英語の知識に対して、常に100パーセント行われていると仮定すると、割と妥当に英語力を表しています。

現在、私がTOEICを受験していたころにもどるのであれば、会話の練習を早期に開始します。会話の練習方法については、別記事にする予定ですが、もっとも手軽なのは、オンライン英会話を利用してしまうことでしょう。

私自身、いくつかのサービスを試したのちに、TOEFLのスピーキングの勉強として、フィリピン系のオンライン英会話である、レアジョブ英会話を使用していました

リンクはコチラ:レアジョブ英会話

知識の運用能力化は、知識の理解よりも時間がかかるのが常ですし、体験授業もありますので、とにかく始めてしまうのがいいでしょう。

オンライン英会話などで強制的に話す機会を作りましょう。

TOEICで目標となり得るスコア。

最後に、これまでの話をふまえて、TOEICで何点を目標スコアとして、目指したらいいのかをお話します。

大きく2パターンに分けてますが、1つ目の状態は実現するのが難しいです。多くの英語学習者は2つ目のパターンを目指すことになるといいでしょう。

1つ目は、知識の運用能力化をフルに行いながら750点を目指すパターンです。運用能力訓練だけをやって、750点に到達したケースといった方がいいかもしれません。

ただ、英語を”勉強”して、750点に達したケースでは満足いく会話力を備えることは難しいです。現実的には、会話や英語のテレビ番組のみから、英語を学んで750点辺りに到達した学習者だけが、実現できる状態といっていいでしょう。

ですので、現実的にはより高いスコア、具体的には900点を狙っていくのがいいでしょう。これが2つ目です。もちろん、スピーキングの練習もしながらです。

Two path for target TOEIC scores

スコア750+運用能力100パーセント

1つ目のパターンについて、もう詳しく見ていきます。

750点のスコア分の知識を高い運用能力で駆使できれば、Cランク(470~730)のETS見解にふさわしい会話能力を得ることがで来ます。その位の会話能力があれば、海外旅行などで大きく困ることはないでしょう。

リスニングやスピーキングのみの勉強で750点を目指すと、実現できるでしょう。大きなストレスを感じることなく、英語を使うことができるでしょうから、目指す価値はあります。

ただし、現実日本で学習して、この状態に達するのは難しいように思います。会話や英語のテレビ番組のみから、英語を学んで750点辺りに到達した学習者だけが、実現できる状態です。

普通に英語を勉強をしていたら、スコア750相当の会話力を得る時には、TOEICスコアは、自然と750を超えてしまうでしょう。

逆に言えば、英語が話せる状態であるのに750点前後にとどまるということは、同程度のスコアを取る日本人の平均的な学習と比べたら、文法の知識や、語彙力はかなり限られているということでもあります。

会話やリスニングといった勉強は、新たな知識の吸収には、向いていないことが原因です。

多くの日本人は、スコア750相当の会話力を達成するころには、次の2つ目の状態になってしまうでしょう。

スコア900+スピーキング練習

ということで、私は、はじめからスコア900を目標に据えることをお勧めします。

スコア900の状態であれば、文法や精読的な知識に大きな欠けはない状態が達成できています。

その語の英語力の伸びを支えるのは、語彙力や表現の獲得、音を取る力のさらなる強化、そして知識の運用能力化と英語学習を続ける限り、継続していく側面に限られます。

私のスコア890時の英語力で記載した通り、英語の環境化でもやっていくことができそうだという意識が芽生えるスコアでもあります。(私自身は、英語の運用能力化が、ひどく進んでいなかったので、皆さんのケースでは私よりもマシな状態にあると思います。)

特に、特別な勉強をしなくてもとにかくスピーキングの練習や、リスニングの練習をし、英語を英語のまま扱う訓練を積めば、運用能力化が進むスコアでもあります。

留学をしたり、海外で働く方以外にとっては、基礎として十分な英語力と言えます。

留学や、海外で働くことが視野に入っている方にとっては、TOEFLなどのより本格的な英語試験を勉強し始める基礎が整った段階になります。

最後に、本記事のまとめです。

日本で普通に勉強していたら、ETSの公式見解に見合った英語力を得るのは困難です。
スピーキングの練習を行い、英語の運用能力化を同時に進めましょう
上記を意識して、スコア900まで達すれば、英語の基礎はひとまず完成です。
にっくよし
社会人を経験後、アメリカのテキサス州で電子工学を専攻してます(博士課程)。

少しでも留学者(道連れとも呼びます)を増やすために、TOEFLスコアアップ法を紹介します。
まずは、交換留学に、次に正規留学に。
社会人から留学へ。
こんな方、増えるといいな。

国立理系大学→電気メーカー研究所→アメリカで博士学生

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道連れ希望者も、そうでない方もウェルカムです。
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